ラッカアフリカの伊関です。
今回は、かつて駐在していた南アフリカからある食べ物を輸入するお話。
みなさん、南アフリカのソウルフード、ペリペリソースをご存知だろうか。
ペリペリソースはピリッと辛い唐辛子が入っていて、酸味を感じるスパイシーなバカ旨ソースのこと。
ペリペリって?
アフリカンバーズアイチリ(African Bird’s Eye Chilli)、またの名を、ペリペリ(Peri peri)というアフリカ原産のペッパーだ。
ちなみに、ペリペリの語源はスワヒリ語。
アフリカで長きに渡り自生してきたが、商用には、南部のモザンビーク、東部のウガンダなどで生産が活発に行われているらしい。
国内ではあまり知られていないけれど、インスタで"periperi"と調べると、ペリペリソースやペリペリを用いた料理がたくさん見つかる。
日本でお馴染みのソースや調味料のハッシュタグと比べると、periperiの戦闘力の高さが伺える。
- お好み焼きソース:1,400
- とんかつソース:2,400
- ウスターソース:8,300
- ポン酢:78,000
- periperi:195,000
- 醤油:230,000
ナンドスとは?
ペリペリソースの火付け役はナンドス(Nando's)という南アフリカのカジュアルレストラン。
1987年に、歴史的に繋がりの深いポルトガル風のチキン料理を提供する店として第一号店がヨハネスブルグにオープン。
現在では、世界35カ国に1000店舗を構えるグローバルカンパニーだ。
特に、イギリスで人気が高く、400店舗以上もある。日本におけるピザハットと同じくらいの店舗数と考えると、いかに浸透しているかが分かる気がする。
日本で食べられないの?
そんなに流行ってるソース、日本で食べられないのだろうか。
何とかしてペリペリソースを食べたい。
南アフリカ駐在中に食べた、あのペリペリソースをラッカメンバーにも食べてもらいたい。
入手する方法がないか、まずはグーグル先生に聞いてみた。
2万件の検索結果がヒットした。 意外と多い。
どうやら、Amazonでも購入できるらしい。
ただし、レストランはもちろん正規代理店も日本になく、海外の業者を通した並行輸入品のようだ。
「このリストは英語から翻訳されています。私たちは、すべてのエラーをお詫び申し上げます」と前振りした上で、「ナンドのガーリックペリペリ醤油( 125ミリリットル)」という不自然な自動翻訳が掛かっていた。何とも怪しい。
さらに、気になる文言を見つけた。
別段の指示がない限り、我々は、この製品の製造業者ではありませんのでご注意ください。製品パッケージには、このリストに表示されているものと異なる場合があります。あなたが私たちのリストに提示された情報のみに依存しないことをお勧めします。
このページから買おうとしているのに、このページの情報を頼りにするなとはどういうことだ笑
しかし、情報、選択肢は限られている。止むを得まい。
マイルド、ミディアム、ホット、エクストラホット、レモン&ハーブ、ブッシュベルドブライ(バーベキュー味)、ガーリック、全7種のペリペリソースをポチってみた。
1本1500円くらいだったので、合計1万円くらいは払ったと思う。
すっかり秋になった10月中旬のことだった。
対面の時
待つこと、2週間。
街はハロウィンに賑わう中、ペリペリソースが自宅に届いた。
瓶が7本も入っているからだろうか、遥々南アフリカから届いたという感慨深いさからだろうか、重量感がある。
いざ開けてみる。
紙を敷き詰めて梱包してある。
割れ物への配慮なのだろう。
む、むっ
嫌な予感がする
???
開けた時、何が起きたか分からなかったが、少ししてから悲劇を悟った。
何とペリペリソースが洗剤に仮装してきたのだ。
現地のスーパーでよく見かけるFairyという洗剤ではないか。
ご丁寧に通常の香りとレモンの香りの2種類にすり替えられていて、何とも腹立たしい笑
「製品パッケージには、このリストに表示されているものと異なる場合があります。 」という片言の犯行予告はまんまと的中してしまった。
何とか確保できたペリペリソースは、7種類のうち、ホットとガーリックの2種類。しかも、サイズは不揃い。惨敗である笑
It happens
ふと、ヨハネスブルグに住んでいた頃、ワインの配送が遅れた時のことを思い出した。
our courier got hijacked yesterday and so quite a few orders have had to be restocked & checked!
「配送業者が昨日ハイジャックに遭っちゃったから、いくつかのオーダーは在庫を補充、確認しないといけなかったんだ!」というお知らせだった。
日本ではまずお目にかかる事のない遅延連絡だ笑
メーカーの工場から卸業者の倉庫、港、そして、税関での検査など。物流上のどこでトラブルに見舞われるか分からない。
アフリカビジネス全般に言える事だが、「クソみたいな事はよくあることさ」
それでも、僕らはフォレスト・ガンプみたく、突き進まないといけない。
救世主現る!?
通常の物流が頼りにならないのであれば、奥の手はこれしかない。
ハンドキャリーだ。
というわけで、フェイスブックで急募してみた。
大変ありがたいことに、駐在中の方、これから出張で行くという知り合いから速攻でレスが返ってきた。
大小あれど、アフリカビジネス関係者なら一度は抗いようのない困難に直面したことがある。
何とも不思議なことだけど、それでもアフリカ大好きという人が多い。
今回もそんな人たちによって、希望の光が差してきた。
この場を借りて感謝申し上げたい。
再び、対面の時
12月上旬、出張者から写メが届いた。
南アフリカのスーパーでペリペリソースを買ったという連絡だった。
持ち帰ってから、国内配送してくれるとのこと。神対応である。
それから、1週間後。
ついに
7種類の
ペリペリソースが
揃った!!!!!!!!!!!!!
苦節2ヶ月、日本で7種のペリペリソースを食すという願いがかなった瞬間であった。
実食!
新年早々、ラッカメンバーと食のプロを招待して、食べ比べをしてみることに。
料理研究家のよこたんが作ったチキンと合わせて、いざ実食。
お肉に詳しいケータリングベンチャーのノマドキッチンさんにも吟味いただく。
ラッカな会話ととも、ビビるくらいのスピードでチキンが消失した。
いつもは辛口コメントなメンバーも「これは美味いと言わざるを得ない」とご満悦な様子(笑)
酸っぱくてスパイシーなソース。
ありそうでない味に、その場の全員が魅了された。
ここに、ラッカアフリカでは新たに1つの誓いを立てた。
日本でペリペリソースを作る。
物流に左右されず、安定して供給できる、日本に最適なペリペリソースを笑
次回、ペリペリソース試作品の試食会へと続く。
ペリペリソース試食会当日に飲んだ定番の泡、白、赤はこちら