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「“カンガ”!から見るアフリカの今」でカンガ布について勉強してきました

8月に横浜で開催される第7回アフリカ開発会議(TICAD7)にともない、ケニアやタンザニアで愛用されている一枚布「カンガ」に関するセミナーがJICA地球ひろばでおこなわれました。

講師の方にお話いただいた内容をレポートという形でお届けいたします。

講師は織本 知英子さん(ポレポレオフィス代表)

織本先生は1991年にサファリなどを見にケニア旅行に行きました。その際、「Kangas: 101 Uses」という一冊の本に出会いました。

それは、アメリカ人ジャネット・ハンビー博士によるカンガの使い方に関する本でした。

カンガとは、ケニア、タンザニアを中心とする東アフリカで生活の中でよく使用される伝統的な一枚布です。

カンガに魅了され、著者に連絡し、版権を譲り受け、日本語翻訳版『カンガ・マジック101―一枚の布で楽しむ東アフリカ・シンプルライフ』を自費出版されました。

さらに、ポレポレオフィスを設立し、カンガの輸入販売に加え、学術的な調査や全国各地でカンガ布に関する展示会を開催し、カンガ文化を日本中に紹介する活動をなさっています。

カンガ布の歴史

もともと布を巻くという土着の文化が連綿と続いてきました。

インドや中国から入って来た布をほどいて自分たちの好みに合わせて使うということは行なってきました。

そうした中、カンガの登場は1870〜1880年代にさかのぼります。

スカーフを縫い合わせた「レソ」から発展しました。

それから、階級社会が崩壊したのち、20世紀初頭からは奴隷下級民が自由・都市民の象徴としてカンガを着装しました。

カンガは財としての価値をなし、お金がない時には売ることもできました。

ワックスプリントはサブサハラアフリカで広く使用され、もともと洋服に使用するため、固めの生地であることが多いですが、カンガはケニア、タンザニアをはじめとする東アフリカにのみ見られ、巻いて使われることから始まった布です。

カンガ布の生産

植民地時代には、イギリス、オランダ、スイス、インドなどで製作されました。

現地の好みに合わせて、大きくて目立つ柄、常に新作のデザインを取り入れて進化を遂げていきました。

現在では、タンザニアやケニア、インドでの生産がメインとされています。

染料は化学染料で、素材は綿が用いられています。

デザイナーは手書きで柄を作っていましたが、今ではパソコンを用いてつくります。

昔はオレンジ・赤、補色、原色同士で組み合わせることが多かったですが、現在では、相性の良い組み合わせで配色することがあります。

また、派手派手しいものから静かな落ち着いた柄も増えてきています。

柄についても、小さいモチーフ、細かな模様が増えてきていて、これは洋服にする時に、大きな柄の場合、切り取りにくいためと考えられています。

カンガ布の特徴

カンガのデザインの特徴は次の5つあります。

  1. ビビッドで明るい色彩
  2. 黒の縁取りによる力強さ
  3. 水玉模様と繊細な模様による愛らしさ
  4. コロショ(カシューナッツ模様)の重要性
  5. スワヒリ女性の嗜好をベースにインド・ペルシア・インドネシア・ヨーロッパ・日本の融合性

また、ジナというスワヒリ地方に伝わる諺を布に記すという特徴があります。

言葉の意味としては次のようなカテゴリーが代表的です。

  • 母親や両親への感謝
  • 恋愛、結婚のお祝い
  • 神への感謝、祝福への祈り
  • 他人への揶揄、皮肉、謎めいた言葉

結婚に関するカンガは綺麗なデザインが多く、言葉と色彩や柄は密接に関わっています。

もともとネガティブなことを口に出すのが良くないとされる文化であることから、揶揄する言葉の書いたカンガを身にまとうことでストレス発散をし、心を平穏に保っているという文化的な背景もあるようです。

そのほかにも、社会、政治、啓蒙など様々なジャンルの言葉があります。

例えば、アメリカのオバマ氏が大統領になった時にはおめでとうという意味のカンガが流行したそうです。

カンガ布の使い方

カンガは生活の中で様々な用途で使用されます。

腰に巻くというのが伝統的な使い方です。

イスラム文化もあり、一枚は頭に巻くというスタイルも一般的です。

ワンピースを着た上から、巻くこともありますし、首に巻くのがオシャレなスタイルだそうです。

バスタオルのようにして使ったり、インテリアとしてベットカバーや壁掛けになることもあります。

また、結婚式では親族一同でお揃いのカンガを作ることがあります。

町々に縫製職人がいて、襟や袖などパーツごとにどう仕立てるかをオーダーでき、スーツにすることもできます。 

展示されていたカンガ布たち

セミナー会場の周りでは、小さな展示コーナーがありました。

主張するアフリカ布の解説とともに、大胆で個性的なカンガ布のパターンをお楽しみください。

「攻撃したけど相手の波に逃げざるを得ない」

1950年代から1970年代。日本製。

和歌山にあった昭南工業製のカンガ。

スワヒリ語はかつてアラビア語表記だったため、カンガの文言がアラビア語表記されている場合もある。

「安全なお産のために病院で出産しましょう」

2000年代。タンザニア製。

病院での安全な出産を啓蒙するカンガ。

カンガは社会啓蒙のツールとしても活用される。

「私を許してね」

1990年代。ケニア製。

ソフトな手触り。

「愛と平和、平穏、そして団結をみんなで守り続けよう」

タンザニアの初代大統領ニエレレ氏を追悼するカンガ。

ニエレレ大統領は国民から「ムワリム=スワヒリ語で先生の意味」と呼ばれ、敬愛されていた。

「結婚の喜びはお互い耳を傾け合うこと」

 

2000年代。ケニア製。

紫と黄色という補色でも違和感なく美しく見えるのがカンガデザインの妙。

「もしも自分のことをわきまえていたなら、そんなに自慢しなかったでしょうに」

2000年代。ケニア製。

大胆さと繊細さが融合している点もカンガの特徴。

「母の手は祝福」

2000年代。ケニア製。

「あなたのことを思い出す度に涙がこぼれ落つ」

2000年代。ケニア製。

愛しい人への思いを代弁するカンガも数多い。

「平穏に暮らし、より愛し合って生きていきましょう」

2018年。ケニア製。

最近ではミント色なども登場。

ラッカアフリカで取り扱いのあるアフリカ布

ラッカアフリカでは、南アフリカのマンゴー社のコットン100%でつくられた布を販売しています。

マンゴー社は1998年に、スチュワート・ホールディングスが創業したホームウェアの織物メーカー。

モダンなデザインと丈夫な作りがラッカメンバーもお気に入りです。

また、ケニアの伝統的な色使いやパターンとスイスの機能性を融合したマエンベのビーチタオルもとても人気です。

ぜひ、アフリカ布の楽しい世界を旅してみてください。

アフリカ布

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